YosemiteのCPUコア電圧を上昇だー
2002.12.01 初出
2003.04.19 緊急更新


はじめに
 改造に関わる事故の責任は自己の責任ってことなんですが、今回のは特にキケンです。と云いますか、キケンでした(汗。生命に関わるやもしれません。ハイ。

G4/800MHz超のZIFって、いつ出るの?
 これを書いている時点では、噂ばかりの高速G4ZIF。もぅぐぁまんできぬぁい!ってなわけで、コア電圧の上昇、所謂『カツ入れ』ってやつに挑戦です。料理の素材はOWCのG4/550MHz。

料理方法
 CPUコア電圧の上昇についてはTak.さんが解説されてますので、そちらを御覧になられると良いでしょう。電圧生成チップCS5157についてはON Semiconductor社のサイトにPDFがあります。てなわけで、ここではOWC G4/550MHzについてをば。

OWC ZIF G4/550MHz
 このZIFカードのコア電圧設定はR1〜R5で行われているようです。上記画像の左下の部分ですが、R1のみ解放、R2〜R5は100Ω抵抗でGNDへと接続されています。つまりCS5157のVID0が1、VID1〜VID4が0となり、電圧は『2.00V』が生成されます。550MHz版PPC7410のコア電圧のスペックは2.00V±50mVとなってますからそのまんまですね。って当然か(^^; 。
 2.05Vの設定にするにはR1にも同様に抵抗を実装すればよいのですが、それ以上の電圧を設定するにはR2〜R5の抵抗を剥がさなくてはなりません。設定をアレコレ試すためにいちいち半田作業をするのも何だかアレです。これはいつものようにDIPスイッチの出番ですな。

CS5157に手を加えるの図

 基本的にはTak.さんの解説にあるとおり、CS5157のVID端子の足上げです。1〜4と6ピンの上げた足をDIPスイッチを介してGND(上記回路ではCS5157の11ピン)に接続します。それだけの回路なら図の右側のDIPスイッチのみでコト足りるのですが、ZIFカード上の設定を有効にもしたいなーと思い、左側のDIPスイッチを全てONにすることで『元通り』の状態を再現出来るようにしてみました(そのときは右側のDIPスイッチはすべてOFFです。念のため)。
 ちなみに上図のDIPスイッチは6回路のものですが、6番目は未使用です。この型のもので5回路が千石に売ってなかっただけの話し。

700MHz@2.05V
 先ずは7410の許容限界、『2.05V』に設定。秋月で入手のテスタでの実測は2.048V。『2.00V』のときは1.994Vだったので確かにきちんと上昇してます。で、アッサリと700MHzで起動しちゃいました。ちと拍子抜け(笑)。

750MHz@2.05V
 調子に乗って750MHzに設定。しかし起動音のみ。

750MHz@2.10V
 『2.10V』に挑戦したものの、Open Firmwareのプロンプトが出たりフリーズしたりで、残念ながら起動しませんでした。電圧の実測は2.08Vほどですから頭打ちしてますね。750MHzは電気喰い?

700MHz@2.10V
 Yosemiteのコア電圧生成回路がショボいのか、はたまた換装したATX400Wがヘボいのか........実測2.083V。やばいかな?

おわりに
 このOWC G4/550MHzはコア電圧2.05Vの700MHz駆動で落ち着きそうです。それならZIFカードのR1に抵抗1個半田付けするだけで済みましたね(^^; 。半日ほど使った間にNetscape7.0やGoLive6.0でそれぞれ1回ずつオちたりもしましたが、それは今までにもあったこと。その後の半日はナニごとも無く快適快調に動いてます。
 なお、PowerLogixのCache Control X 2.1b4を使って2次cacheを232MHzに設定しています。PPMark1.1の計測結果はCPU700MHz/Cache232MHz/Radeon7000/OS X 10.2.2で4330前後となりました。

2002.12.16追記
冷却について
 やっぱりきちんとヤったほうがイイんぢゃないでしょうか....。最近はこんな感じです。

CPU周りのヒートシンク群

 MPC106等にも3Mの熱伝導性テープを使用してヒートシンクを貼付けていますが、効果は気分的なものだと思います。
 CPUに使用しているヒートシンクは購入元忘却の安物。オリオで購入のヒートシンクの取付金具を流用して装着しました。空冷ファンはやっぱり安物150円ですけど手持ちの中では風量最大。CPUダイとの接触面には、千石で購入したグラファイトシートを貼ってます。

押せば凹むグラファイトシート

GaugeProとCacheMarkの結果
 CPU700MHz/Cache279MHz/OS 9.2.2/DiskCache8192KB/AppleTalk on。2次cache用のドライバは使用してません。

GaugePRO結果/JPEG

CacheMark結果/JPEG

2003.04.19追記
焼けた!
 なんだかYosemiteの調子が悪くなりまして。で、サイドパネルを開いた状態で眺めていたら、基板裏面のQ61、"4416"というチップが真っ赤に焼けて煙噴出。コア電圧生成回路の肝であるパワートランジスタらしいです。カツ入れの影響が出てしまいましたね。ギリギリの状態で使っていたのがイケなかったんでしょう。いやーしかし、正直、たまげました(汗。

JPEG/10KB Q61とその周辺

JPEG/7KB Q61拡大。穴開きました。

 "4416" を検索してみると、"CEM4416"というチップが当たりました。それのデータシートによれば、「N-Channel Enhancement Mode Field Effect Transistor」とのこと。Yosemiteに使われている"4416"と互換なのかどうかは不明ですが、"CEM4416"は1〜3pinがソース、4pinがゲート、5〜8pinがドレインという構成からして、恐らく、間違いないのではなかろうかと。
 早速、秋葉へ。しかしながら、やっぱり"4416"の調達は難しいようです。まぁ同等以上の性能を有するFETであればイイわけですから、一般的な東芝"2SK2232"を使うことにしました。それが適しているのかは私には分かりません。ただ単に安かっただけの話しで(^^; 。前述の千石電商で1個130円でした。
 そんなわけで、焼けたQ61と、その隣にある同じチップであるQ60を一緒に交換です。2SK2232は正面向かって左から順にゲート、ドレイン、ソース。その足を適当に曲げて半田付け。手持ちの半田小手(30W)では熱不足でしたよ。なんか無理矢理ですが、なんとか付いたようです。

JPEG/8KB 2SK2232に交換後

 結果、バッチリ復活です。やったー! いや、バッチリか否かは暫く様子を見る必要がありますね。電圧の測定結果は『2.05V』の設定で実測2.058V。以前よりも電圧を安定供給出来ている、と、信じたいところ。
 HDの幾つかのパーティションの内容が破損してましたが、幸いにしてほとんど救出出来ました。まぁ、一番の幸いは『火事にならかった』ってことでしょう。ホントに良かったですよ。ホントに....(泪。



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