RATOC REX-PCI30PX を使ってみる
第4回全日本Mac系大忘年会 in Tokyo宿題レポート〜 の、ようなもの
2003.01.12初出

はじめに
 時に2002.12.28。初台のオペラシティータワー18階にて、私は、RATOC Systems社のREX-PCI30PXを手に入れた....。

 REX-PCI30PXの箱/JPEG/12KB 無意味に立体視

Ultra SCSI Card
 頂戴したREX-PCI30PXは出荷完了品ですが、現行品であるREX-PCI30Lシリーズとは機能的に同じです。最大転送速度20MB/sec、内部接続50ピンコネクタ、外部接続ハーフピッチ50ピンコネクタといった仕様のUltra SCSI カードです。
 さて、現在の私の主環境であるYosemiteには、やはりUltra SCSI カードであるCenturyのCSAP-820UVが挿してあります。内蔵しているSCSIのMOドライブに用いているのですが、このカード、スペック的にはREX-PCI30PXと全く同じ。ここは一つ、この2枚のカードでもって性能の違いを比較してみましょう。....違うのかな?

 REX-PCI30PX/JPEG/7KB これが REX-PCI30PX だっ!

 CSAP-820UV/JPEG/6KB 対抗馬の CSAP-820UV

Advanced System Products社 v.s. Initio
 REX-PCI30PXの心臓部、SCSIコントローラはAdvanced System ProductsのASC3050B。対するCSAP-820UVはInitio-940P。上記リンク先を見ても分かるとおり、今ではA社はI社の中へ....。REX-PCI30PXは確か4年ほど前の品ですからね。時の流れを感じますな。

 ASC3050B/JPEG/7KB 折角なのでASC3050Bチップのアップ

4年も経てばBIOSも変わる
 このREX-PCI30PXには、2001年9月第3.0版の取説と2002.07.24Rev.2.8と書かれたCD-Rが付属してました。その取説の時点での対応OSは MacOS7.5.2〜9.2.1、Mac OS X 10.0.4〜10.1。RATOC Systems社のwebにはOS X 10.2対応の最新BIOSも登録されています。
 そのBIOS。使用環境に応じて設定を変えないといけないようです。MacOS9以前とMac OS Xではシステムが大きく異なるためなのですが、取説によりますと次のA)〜D)の四項に分けられます。

私の場合は主OS Xで副OS9.xのC)項になりますね。

4年ほど経つけど....
 対するCenturyのCSAP-820UVですが、現時点での最新ドライバの日付けは1999.05.25。OS 9.1までは対応を謳ってますが、OS Xでは対応ドライバを動作検証中だそうです。1年ほど前にCentury社のサポートに問い合わせた際、Initioのドライバが使える旨の回答をいただきました。Bluenote (INI-9090U-MAC)に同じなわけですね。現在Initioの最新ドライバはOS 8.1〜OS X 10.2対応のBeta版。正式版はいつ出るんでしょうか....?
 後述のMac OS X環境での測定は、仕方がないのでInitio社のBeta版を使用します。

比較対象はMOドライブ
 富士通のM2513EL、640MBのドライブです。この他にHDDでの検証もしてみたいのですが、手頃なものが手許にないので、とりあえずMOだけで行います。

 M2513EL in Yosemite/JPEG/4KB 内蔵したMOドライブ M2513EL

 ちなみにMOドライブのフロントパネルは元々の色は白なのですが、それだとちょっとB&Wに馴染まない気がしたので塗装してます。グンゼ水性ホビーカラーつや消し黒で....ってのはさておき。
 用いたメディアは帝人製Macフォーマット済み640MBの未使用品。ATTO ExpressPro-Tools 2.8.2での計測です。機種はYosemite/G4/CPU700MHz/cache279MHz/OS9.2.2。

CSAP-820UVの場合
 Centuryの最新ドライバ Ver.1.04B (Firmware Ver.2.10)での測定。

  ExpressPro-Tools計測画像 (CSAP-820UV v2.10)/PNG/4KB

 M2513ELはSCSI-2仕様なので、最大転送速度(理論値)は10MB/sec。しかしSCSI-1よりも速度が出てないですねぇ。こんなもんなのかな?
 Initioの最新Beta版のBIOSに書き換えての計測もしてみましたが、ほぼ同じ結果となったので画像省略。

REX-PCI30PXの場合
 先ずはBIOSを書き換えずに初期状態での測定........アレ? 取説を見ると出荷時のBIOSのバージョンは3.3と読めるのですが、実際は2.3が書き込まれてるぢゃないですか。RATOCが公開したBIOSは『3.3』の前は『2.9』らしいのですが、それよりも前の『2.3』とは。店頭で売られていたものもそぅだったんですかね? 忘年会に提供の品物だからなのかしらん? まぁ戴き物なので深く詮索するのはヤめておきましょう。とにかく、初期状態 Ver.2.3での測定です。

  ExpressPro-Tools計測画像 REX-PCI30PX v2.3)/PNG/5KB

 ぉお!? 速いですよ! 同じスペックのUltraSCSIカードなのに、何でこんなに差があるの! 正直驚きましたです。しっかりとM2513ELのSCSI-2性能を引き出しているのではないのでしょうか。ヤりますな、REX-PCI30PX。このあとBIOSを2.9、3.3と書き換えて試しましたが、やはりほぼ同様な結果となりました。
 続いては前述の、OS Xを主環境としてOS9が副である場合の設定。REX-PCI30PXにMac OS X用のBIOS(Ver.1.2.0)を書き込み、OS 9のシステムには機能拡張(Ver.3.3)をインストールしての計測。

  ExpressPro-Tools計測画像 REX-PCI30PX vX1.2.0)/PNG/5KB

 ぅわ! 更に速くなりましたですよ。MacOS9を主で使用する場合も、OS Xが主でOS9が副の設定にするほうが良さそうです。

Mac OS X環境での対決
 Yosemite/G4/CPU700MHz/cache232MHz/OS X 10.2.3。計測ソフトはXbench1.0b3。BIOSはそれぞれ前述の最新OS X用を使用。

Disk Test
Score
REX-PCI30PX CSAP-820UV
Sequential Read 4k blocks 1.34
(0.50 MB/sec)
1.15
(0.43 MB/sec)
256k blocks 1.18
(0.41 MB/sec)
1.27
(0.45 MB/sec)
Write 4k blocks 3.44
(0.51 MB/sec)
3.44
(0.51 MB/sec)
256k blocks 3.91
(1.47 MB/sec)
3.91
(1.47 MB/sec)
Random Read 4k blocks 2.83
(0.05 MB/sec)
2.38
(0.04 MB/sec)
256k blocks 1.76
(0.36 MB/sec)
1.77
(0.37 MB/sec)
Write 4k blocks 12.69
(0.14 MB/sec)
12.30
(0.13 MB/sec)
256k blocks 6.88
(1.32 MB/sec)
6.90
(1.33 MB/sec)

 小ブロックの領域ではREX-PCI30PXに軍配が上がりますね。あんまり大差無いですけど(^^; 。

おわりに
 勝負はREX-PCI30PXの勝ちでした。Initio社のドライバが洗練されていないのか、それともそーゆーチップなのか、Advanced System社が素晴らしいのか、RATOC Systems社提供のドライバが偉大なのか、はたまたMac本体やOSによるものなのか、その辺はもっと検証しないと分かりません。....ってことにしといて下さい(^^; 。
 電源落としてコネクタ外して電源入れてBIOS書き換えて電源落としてコネクタ繋いで電源入れて計測して........の繰り返し。しかもMO相手だから余計に時間が掛かること掛かること(^^; 。
 いやぁまぁとにかく、気分的に速くなったので大変満足してます。どうもありがとうございました>RATOC Systems様。

 こんなレポートで良かったんでしょうか....?


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