『約2/1スケール 角マウス』の製作
2005.09.29 初出

はじめに
 時に2004年春。ハイパーファクトリーにてロジクールの無線光学式マウス MX-700 を購入しました。その際、店長様&店員様にアイデアと云いますかネタを提供していただきましてね。マウスの形状についてなんですが、一部を紹介しますと「ヒゲを生やして□ド・△ード風」とか...。
 えーとですね、そんなわけで(?)角マウスも無線光学式にしたいなどと思いまして。で、市販のマウスを流用しようかと思ったら、角マウスって結構容積が少ないんですよ。基板やら電池やらを組み込むのは厳しいなぁ。むむぅ................お?そうか!角マウスが大きければイイんだ! とゆー安易な発想の下、とりあえず2倍で、ってことに。

『2倍角マウス』のハズだった。
 素材は3mm厚のアクリルです。硬くて脆いのでアクリルは敬遠したいところですが、手頃な価格と入手が容易な点で選択。その他の部材を含め、ほとんどを東急ハンズで調達です。
 先ずは本物の角マウスの寸法を測り、それをきっちり2倍した大きさでアクリル板を切り分けます。

 加工前のアクリル板/JPEG/7KB 加工前。悲劇はこのとき既に始まっていた...

なぁんとなく外見が似ている程度にするつもりだったんですよ、初めは。しかし、やっぱり周囲の溝も欲しいなぁ、なんて欲張ったのが運の尽き。硬いアクリルを削っている間に、夏のコミケは時間切れ。
 冬までまた時間が出来ちゃったから、もぅ少し本物に近づけるとしますか。角マウス裏面にある『ボールカバー』も再現してみましょ。私は工具をあんまり持っていません。削る作業で使用するのは、主にカッターの峰(?)の部分。下の画像の矢印の辺りね。

 カッターの峰(?)/JPEG/5KB 愛用のオルファL-2。でも替刃はNT製だったり。

Made in Malaysia版の山形の装飾を、カッターでちまちまちま削ります。..............ぅぅ................ぅぅ................ぅがー! アクリル硬ぇよ! かったりぃ...。

 ボールカバー部分/JPEG/5KB はみ出たキズは気の抜けた証拠。

 そして季節は秋から冬へ。コミケに落選したのでまた時間に余裕が出来ちゃいました。他の部分も削るとしますか。底板はネジ止め構造にして、ここにナットを付けるかな。そしてここは........とまぁアレコレ考えながら、時は2005年へと。

そして『約2/1スケール』に。
 アクリル板で作った部品も揃ったので、ここらで組んでみることに。....ん? あれ? えーーー!? 合わないぢゃん。本体周囲の溝の位置がずれまくりですよ! って、寸法間違えたのか! どぅやら最初の図面から違っていたらしい...。orz
 きっちり2倍で作りたい。さりとて、これまでの苦労を水泡に帰すのは忍び難い...。長考の末、一から作り直すのではなく、適当に削って辻褄を合わせることにしました。『約2/1スケール』の誕生です。(ぉ
 初めからきちんと計画を立てて、それから実行すべきなんですけどね。どぅにも私はダメですねぇ。ここは強度が欲しいよな。こっちはこぅした方がイイかな。てな具合に、まだまだ部品がどんどん増えて行きますよ。

 夏のコミケまであと一ヶ月ほどの図/JPEG/7KB これで部品全部。と思いきや、この後も増えた。

組み立て
 アクリルの接着にはセメダインのABS用を使いました。テフロンシートの部分はセメダインのスーパーXね。ナットの固定はUSBフラッシュメモリ『ボブ』でも使用したセメダインのエポキシパテです。...私ゃセメダインの廻し物か?
 本物の角マウスってかなり丸みを帯びているんですよ。だからまだまだ削る作業も続くのだー。

 電池BOX付近/JPEG/6KB 電池BOX付近
 底板周囲の傾斜も削ったのよ/JPEG/5KB 苦労の程が窺えなくて無念の底板
 ナットはエポキシで固定/JPEG/4KB ナットはエポキシで固定
 ボタンは脱着式/JPEG/6KB ボタンは脱着式
 ボタン付近の内側/JPEG/6KB ボタン付近の内側

ボタンは脱着式です。バネの役割をする蝶番部分の素材を決めかねていたので、いろいろ試そうと思っていたものでして。でも最初に使った0.8mm厚の硬質塩ビ板が悪くなかったので、そのまま採用することに。
 ちなみにマウス内部に小汚く張付けてあるのは、強度を増すためのエポキシです。これはセメダイン社ではなく、ダイソーで買った100円パテ。
 いやーしかし、カタチになるのが目に見える時ってのは愉しーなー。

似非梨子地加工
 本物の角マウスの表面は梨子地です。それを再現するにはどぅするの? 悩みながら東急ハンズに行ったら『アサヒペン ストーン調スプレー』なるものが。これを使えば塗装面がザラついて、まるで石の様に見えるらしいです。この上に更に塗装すれば、なぁんとなく梨子地っぽくなるんぢゃなかろうかと。

 使った塗装スプレーだよん/JPEG/11K アサヒペンストーン調スプレーとハンズセレクトの塗装スプレー

 梨子地にしたくない箇所はマスキングします。用いたのはグンゼのMr.マスキングゾル。「すんげぇ臭い」という幼少の頃の記憶が残っていたのですが、今現在のそれは全く臭わんのですよ。時は流れたんですねぇ(遠い目。

 ストーン調スプレーを塗布したの図/JPEG/8KB ストーン調スプレーを塗布したの図。石........?

 ストーン調スプレーの後は、レモンホワイト ツヤけし(サテン調)なる色で仕上げました。本物のベージュより明るめがイイかなぁと。

各部の詳しくない解説
 テフロンシートは剥がれ易いので、それを防ぐためにアクリル板をピッタリの大きさで掘り下げてます。削る話ばっかりですな。ふがー。

 前側のテフロンシート/JPEG/5KB テフロンシート(前)。

 マウスの基板は取り外し可能になっています。「何故?」と訊かれたら「なんとなく」としか答えられません。基板の形に合うようにアクリル板を加工したり、コネクタ付けたりしないとイけけないから面倒なのにねぇ...。

 半田付け終了の図/JPEG/6KB 半田付け終了。
 本体をかぶせちゃうぞの図/JPEG/10KB 本体をかぶせちゃうぞ

 マイクロスイッチは個人的に好きなオムロン製。金属板(正式名称知らない)を適当に曲げて、お好みのクリック感が得られるように調整します。

 ボタンを付けちゃうぞの図/JPEG/6KB カチっとな

 電源スイッチを付けました。コネクトボタンも省略するのはマズそうなので付けてあります。

 赤い光がぴか〜の図/JPEG/8KB 赤い光がぴか〜
  本物と並べて記念撮影

主な仕様
 概ね次のとおり。

規格 USB1.1
中身 ロジクール 無線光学式マウス MCO-50
全長 本物の角マウスの約2倍
全幅 本物の角マウスの約2倍
全高 本物の角マウスの約2倍

おわりに
 この『約2/1スケール 角マウス』はコミケで展示したのですが、その間ず〜〜〜っと、私はそれを動かし続けなければなりませんでした。ぢゃないと、『ただの模型』だと思われちゃいますからね。実際「モックだと思った」という声も多かったですし。
 いやーしかし、大勢の方にニヤリとして戴けまして、苦労した甲斐がありましたよ。めでたしめでたし。


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