LupinSaver用テキストの書き方

2015.05.16 初出

はじめに

    LupinSaver用のテキストを記述する際の書式の説明です。1話のタイトルに対して2行で表し、それを必要な話数だけ繰り返し記述していく形になります。必ず2行で1組となっているので、1行のみ表示したい場合は2行目は改行だけにして下さい。文字にルビを振る等、表示に効果を与えることも出来ます。テキストファイルは、Mac OS X に標準で付属しているテキスト編集ソフト「テキストエディット」で作成出来ます。ファイル形式はリッチテキストフォーマト(拡張子はrtf)にのみ対応しています。

例1:基本的なテキスト ( ex1.rtf ) 解説
ルパン三世
颯爽登場
罠には罠を!

さらば愛しき
ルパンよ

計3話の例です。
2話目「罠には罠を!」は1行分しかありませんので、次の行は改行だけになります。
最後の「ルパンよ」の後も必ず改行して下さい。改行で終わらないとその行は無視され、この例文の場合は計2話扱いとなります。
最終話が1行だけのときは、改行を二つ続けることになります。

左セル内のテキストは説明のためのものです。実際のテキストは左上セル内のリンク先のファイル(ここでは「ex1.rtf」)を参照して下さい。このテキストファイルの末尾は敢えて改行していません。コメント行として使っています。
    単に表示させるだけでしたら、『2行で1組』のテキストファイルを用意するだけで十分です。新ルパン三世の表現に迫りたい方には、次項以降もご覧頂きたく。

用語 

用語
意味
本文 タイトルの文です。前項の例は、本文のみで構成されたテキストでした。
拡張文
コマンドやルビ等、本文を装飾するために記述します。
コマンド ルビを振る対象となる文字の指定や本文を表示する位置合わせ等、表示の機能を拡張します。
1文字表示
LupinSaverが起動中に、タイトルを1文字ずつ表示している状態のときです。
タイトル表示 LupinSaverが起動中に、タイトルが全文字表示されている状態のときです。

例2:本文と拡張文 ( ex2.rtf ) 解説
ルパン三世 4 さん せい
颯爽登場 _4 さっ そう とう じょう
「ルパン三世」と「颯爽登場」が本文、「4 さん せい」と「_4 さっ そう とう じょう」が拡張文です。本文と拡張文の間は tab を挿入します。"tab" と書くのでは無く、タブキーを押して下さいね。念のため。
半角スペースで区切れば、コマンドやルビを複数記述出来ます。
例:ルパン三世颯爽登場

コマンド

    "0"〜"9"の半角数字や、その他半角英字, 記号等をコマンドとしております。その他の文字はルビとして扱います。コマンドとして予約されている文字は次のとおりです。便宜上、"0"〜"9"を『半角数字』と表記します。

用途
コマンド
解説
ルビ位置の指定
半角数字
ルビを振る対象となる本文の文字を指定する。
斜体文字 ! 文字を斜体にする。
射殺命令!!
"
第66話「射殺命令!!」用。
複数文字をまとめて表示
' (アポストロフィ) 1文字表示時に、1文字ではなく複数文字をまとめて表示する。
文字を非表示
#
1文字表示時に、指定文字を表示しない。
1文字表示を連続 c
1文字表示時に、1文字毎の画面消去をしない。
ズームアウト前の溜め t
ズームアウト前の溜めの時間を指定。
ズームアウトの種類
z
タイトル表示のズームアウトの種類を指定。
四角枠 = 「前篇」「後篇」の四角枠を表示。
タイトル表示時の文字位置
_ (アンダーバー)
タイトル表示のときの本文の位置合わせをする。
タイトル表示時の文字位置 $
タイトル表示のときの本文の位置合わせをする。
文字の大きさを調節 *
文字のサイズと幅を調節する。
コマンドをキャンセル ¥
半角数字やコマンドとして予約されている文字をルビとして使いたい場合に用いる。
    上記コマンドと組み合わせて使う補助コマンドがあります。
補助コマンド
解説
-
文字の範囲を指定する。
/
文字の範囲を指定する。
h
文字のサイズを指定する
w
文字の幅を指定する。
r
前篇、後篇の四角枠の角度を指定する。
o (小文字のオー)
斜体の傾きを指定する。
    コマンドには優先順位があります。ルビ関係ではないコマンドは、ルビ及びルビ関係コマンド( - / ¥ 及び半角数字)よりも前に記述して下さい。ルビ関係の記述の後は、ルビ関係以外のコマンドはすべて無視されてルビとして扱われます。

ルビ位置の指定

    本文にルビを振ります。ルビを振る対象文字の指定方法がいくつかあります。

    (半角数字)  ※註 ( )は省略可を意味します。以下同。
    ルビを振る対象となる本文の文字を指定するコマンドです。本文の何文字目かを半角数字で記述します。
    ルビを振るごとに本文の対象文字位置が次の文字に移動するので、続けてルビを振る場合は文字位置指定を省略出来ます。最初の1文字目の指定も省略可。
    拡張文に半角スペースを挿入すれば、その挿入した数だけルビの対象文字位置が移動します。

例3:ルビ位置の指定_その1 ( ex3.rtf ) 解説
ルパンを呼ぶ 5 よ
悪魔の鐘の音
あく ま 4 かね 6 ね
まず1行目。ルビを振りたい「呼」が5文字目なので、拡張文に「5」を書きます。半角スペースを置き、「呼」に対応するルビの「よ」を記述します。2行目の「悪」は1文字目なので数字の「1」を省略して「あく」。続けて次の文字にルビを振るので、半角スペースを置いて「ま」となります。後は1行目と同様にして、文字位置とルビを書きます。
ルパンを呼ぶ 5 よ
悪魔の鐘の音
あく ま  かね  ね
この例の2行目では「ま」と「かね」の間に半角スペースが2つあります。1つは区切りのための半角スペースなので、もう1つ分だけ、つまり本文の「魔」から2つ目の「鐘」に対象が移動します。「かね」と「ね」の間も半角スペースが2つあるので、同様に「鐘」から2つ目の「音」が対象になります。
例:ルパンヲ呼ぶ悪魔の鐘の音

    (半角数字)-(半角数字)

    ルビを振る対象として、本文の複数の文字を指定します。何文字目(省略可。省略した場合は現在の対象文字位置)から何文字目までか(省略可。省略した場合はその行の本文の最後の文字まで)を記述します。

    (半角数字)/(半角数字)

    ルビを振る対象として、本文の複数の文字を指定します。何文字目(省略可。省略した場合は現在の対象文字位置)から何文字か(省略した場合は1文字)を記述します。

例4:ルビ位置の指定_その2 ( ex4.rtf )
解説
Steve Jobs -5 すてぃーぶ 7- じょぶず
vs Bill Gates
-2 たい 4-7 びる 9- げいつ
1行目の頭から5文字目までを「すてぃーぶ」、7文字目以降を「じょぶず」。2行目の頭から2文字目までを「たい」、4から7文字目を「びる」、9文字目以降を「げいつ」。
Steve Jobs /5 すてぃーぶ 7/4 じょぶず
vs Bill Gates
/2 たい 4/4 びる 9/5 げいつ
1行目の頭からの5文字を「すてぃーぶ」、7文字目からの4文字を「じょぶず」。以下同様。
Steve Jobs /5 すてぃーぶ  /4 じょぶず
vs Bill Gates
/2 たい  /4 びる  /5 げいつ
「すてぃーぶ」,「たい」,「びる」の後ろにそれぞれ半角スペースを一つ足して、対象文字位置を移動しています。比較的分かりやすい?
例:Steve Jobs vs Bill Gates

斜体文字

    新ルパン三世の第63話「罠には罠を!」, 第66話「射殺命令!!」, 第81話「不二子! 男はつらいぜ」の感嘆符は斜体ですが、それに対応させるためのコマンドです。1文字ずつ表示する際はかなり斜めに表示しますので、感嘆符くらいでしか使えないかもしれません。

    !(半角数字)(-(半角数字))(o(半角数字))

    斜体にしたい本文の文字を指定します。複数文字に対応させたいときは "-" で範囲指定します。何文字目(省略した場合は1文字目)から何文字目までか(省略した場合はその行の本文の最後の文字まで)を指定して下さい。"-"以降を記述しなければ1文字だけを斜体にします。
    タイトル表示時の傾き加減の指定は、o(小文字の半角オー)と数値で設定出来ます。数値省略時は0.25。

例5:斜体文字 ( ex5.rtf ) 解説
罠には罠を! !6o0.2 わな   わな


本文6文字目を斜体にしたいので、拡張文に「!6」と書きます。続けて補助コマンド「o」で、傾き加減を「0.2」。
補助コマンドの前に半角スペースは不要です。
例:罠には罠を!

射殺命令!!

    新ルパン三世の第66話「射殺命令!!」に対応させるためのコマンドです。

    "文1" "文2" ....

    通常のサブタイトルは先ず1文字ずつ大きく表示するわけなのですが、この第66話は文1、文2を表示したあとにサブタイトル「射殺命令!!」を表示するという変則的なものになっています。
    この "" で括られた文は、必ず拡張文の1行目の冒頭に書いて下さい。

例6:射殺命令!! ( ex6.rtf ) 解説
射殺命令!! "TOP SECRET" "ルパン ヲ コロセ" !5- しゃ さつ めい れい


"文3" "文4" ... も出来るようにしてあるつもりですが、試してないです。(ぉ
例:射殺命令!!

複数文字をまとめて表示

    新ルパン三世の第124話「1999年ポップコーンの旅」等に対応させるためのコマンドです。1文字表示のときに、複数の文字をまとめて表示します。

    '(半角数字)(-(半角数字))

    まとめたい文字を指定します。指定方法は斜体の場合と同様です。
    「'」はアポストロフィです。テキストエディットでは ctrl+ shift + 7 で入力しないと『左シングルクォート』になったりします。ご注意を。

例7:複数文字をまとめて表示 ( ex7.rtf ) 解説
1999年 '-4 5 ねん
ポップコーンの旅
8 たび
本文1行目の頭から4文字目までの「1999」をまとめて表示します。
例:1999年ポップコーンの旅

文字を非表示

    新ルパン三世の第99話「荒野に散ったコンバット・マグナム」に対応させるためのコマンドです。1文字表示のときに「・」だけは出て来ないんですね、何故か。

    #(半角数字)(-(半角数字))

    1文字表示のときに表示したくない文字を指定します。指定方法は斜体の場合と同様です。

例8:荒野に散ったコンバット・マグナム ( ex8.rtf ) 解説
荒野に散った こう や  ち
コンバット・マグナム
#6
2行目の6文字目を表示しません。

1文字表示を連続

    タイトルを1文字ずつ表示する際、連続して次の文字を表示します(新ルパン三世の第1〜19話まで使用)。このコマンドを指定しないと、1文字ずつ区切るように一旦画面を消去します(第20話以降)。

    c

    例文は次項。

ズームアウト前の溜め

    タイトルがズームアウトされる前、新ルパン三世の第3〜5話では少し『溜め』があります。その時間を指定します。

    t(半角数字)

    溜めの時間を指定します。単位は1/30秒です。数値省略時は11/30秒。

例9:ズームアウト前の溜め ( ex9.rtf )
解説
ヒトラーの c t12
遺産
い さん
「c」で、1文字表示は連続で。「t12」なので、12/30秒だけ溜めてからズームアウトします。
例:ヒトラーの遺産

ズームアウトの種類

    タイトル表示時のズームアウトは、単純なものばかりではないんですよ。私の目視では大別して6種類あります。

    z(半角数字)

    半角数字で指定するのは "0" 〜 "5" です。数値省略時は0(標準)。コマンド自体を省略しても、標準のズームアウトになります。

コマンド
文字サイズでカウントダウンすると...
対応話数
(z0)
6, 5, 4, 3, 2, 1, 0
(標準)
z1
6, 3, 0, 3, 6, 5, 4, 2, 1, 0
第87話「悪魔がルパンを招くとき」
z2
6, 3, 0, 3, 6, 3, 0
第90話「悪い奴ほど大悪党」
z3
6, 3, 0, 6, 3, 6, 0
第96, 98, 101, 102話
z4
6, 3, 0, 6, 3, 0
第105, 107〜109, 114, 117, 119, 120, 122, 124, 126, 128話ほか多数
z5
6, 3, 0
第106話「君はネコぼくはカツオ節」

例10:ズームアウトの種類 ( ex10.rtf )
解説
悪い奴ほど z2 わる  やつ
大悪党
だい あく とう
パターン2を指定。

四角枠

    新ルパン三世の第50話, 55話等の、前篇, 後篇の『四角枠』に対応させるためのコマンドです。このコマンドを使うと、本文末尾の括弧で括られた文字を四角い枠の中に表示します。

    =(半角数字)(r(半角数字))(h(半角数字))(w(半角数字))

    四角枠の位置合わせは、コマンド = 後の半角数字で指定します。指定した数だけ、四角枠の前に半角スペースが挿入されます。つまり右方向にずれます。半角数字を省略した場合、四角枠は左端に表示されます。 実際は文字の大きさを元にした全角に対する半分の幅なので、指定したフォントの半角スペースの幅とゆーわけではないです。等幅フォントの半角スペースだと思って下さい。
    コマンドで四角枠を回転させる事が出来ます。半角数字で指定した角度(°)だけ、反時計回りに回転します。省略時は回転しません。
    四角枠内の文字のサイズ(大きさ)と幅はそれぞれ、h と w で指定出来ます。h は元の文字サイズに対する倍率、w は、h が適用された文字に対する倍率となっておりますので御注意下さい。省略時の倍率は、サイズが0.55、幅が1.2。
    r と h と w の順序は問いません。

例11:四角枠 ( ex11.rtf )
解説
花吹雪(前篇) =6.6r3w1.4 はな ふ ぶき
謎の五人衆
なぞ  ご にん しゅう
「=6.6r3w1.4」の部分が四角枠に関する記述です。画面左から半角スペース6.6個相当を置いて四角枠が表示されます。角度は反時計回りに3度。文字サイズの指定は省略しているので0.55倍。文字幅は、サイズ0.55倍が適用された文字に対して1.4倍となっています。
例:花吹雪謎の五人衆(前編)

タイトル表示時の文字位置

    タイトル表示のときの本文の位置合わせをします。

    _半角数字

    指定した分の半角スペースの幅が本文前に挿入されます。ここで云うところの半角スペースの幅とは、前項四角枠でのそれに同じ。

例12:文字の位置合わせ ( ex12.rtf )
解説
ヒトラーの
c t12
遺産
_6.8 い さん
タイトル表示時に、2行目は半角スペース6.8個分だけ右にずれます。
例:ヒトラーの遺産

    $半角数字

    文字位置調整のため、一行の長さを仮想的に短くするコマンド(って分かりにくいなー)。コマンドがある行の本文表示時の長さを、指定した分の半角スペースの幅だけ短くしたとしてタイトル表示します(って分か(以下略))。

    タイトル表示時は、1行目と2行目の長さを元にして文字サイズや位置を決めています。第150話「ピアノ交響曲「動物園」」のように鉤括弧で終わるような場合、見た目、右側が空いちゃって格好悪い。それを回避するためのコマンドです。まぁほぼ使う事無いと思いますし、この説明はおしまい。(ぉ

文字の大きさを調節

    タイトル表示時の各文字のサイズと幅を調節出来ます。

    *(半角数字)(-(半角数字)(h(半角数字))(w(半角数字))

    対象文字の指定方法は斜体の場合と同様です。指定文字に対してのサイズ(大きさ)と幅の倍率をそれぞれ h と w と半角数字で指定します。h と w の意味は四角枠のときと同じです。倍率の数字を省略すると1倍になります。
    h と w の順は問いません。 同じ文字に対しての複数回の指定は、最後の指定が有効です。

例13:文字の大きさを調節 ( ex13.rtf )
解説
電撃
でん げき
ハトポッポ作戦
*-w0.9 *2w0.7 *4h0.8w0.8 *7w1.05 6 さく せん
2行目では、まず全ての文字を幅0.9倍にしています。続いて、2文字目は幅0.7倍、4文字目は大きさ0.8倍の幅0.8倍、7文字目は幅1.05倍にしています。結果的に幅0.9倍なのは、1, 3, 5, 6文字目となります。
例:電撃ハトポッポ作戦

コマンドをキャンセル

    半角数字やコマンドとして予約されている文字をルビとして使いたい場合に用います。

    ¥

    このコマンドに続く文字をルビとして認識します。

例14:コマンドをキャンセル ( ex14.rtf ) 解説
2+5=4
¥2 たす ¥5 は ¥4
うそぴょ〜ん

使うこと無いよねー。
例:2+5=4うそぴょ〜ん


    上記の例はあくまでも説明のための簡易なもので、新ルパン三世の各タイトルを再現するにはけっこー複雑です。フォントの制限もありますし....。まぁつまり、ほとんどの機能は、使おうと思わないでしょ? てか、分かりにくくて使いたくない、ですか。(^^;

    以上、最後まで御覧頂きましてありがとうございました!

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